業務用清掃ロボットは、スーパーマーケットの清掃現場でも導入が進んでいます。「自店にもお掃除ロボットを導入できないだろうか」と検討している店舗運営者に向けて、実際に導入した2社の事例を紹介します。
売り場の広さや通路幅に合った走行性能、営業時間に合わせた稼働設計など、スーパーならではの選び方のポイントもまとめました。
商業施設などの広い空間を自律走行で清掃する業務用清掃ロボットは、通路幅や売り場のレイアウトが店舗ごとに異なるスーパーには向かないと思われがちです。しかし、環境を整備すれば自動清掃は十分に実現可能です。ここでは、実際に導入したスーパー2社の事例を紹介します。

広島県・山口県を中心に九州北部までスーパーマーケットを展開する万惣では、清掃コストの削減が課題となっていました。清掃ロボットの導入を検討したものの、似た形の通路が多く、ロボットがどこまで清掃したかを判別しづらいという壁がありました。
通路幅を1,400mm以上確保し、商品の直置き陳列を廃止するなど売り場のレイアウトを整備した結果、全通路の自動洗浄が実現。店舗あたりの月間清掃コストを約30%削減できています。
導入を検討する際は、清掃ロボットのスペック比較に目が向きがちです。しかし今回の事例のように、導入する環境を整備することの方が成果を左右するケースもあります。自店のレイアウトを事前に確認しておくことが、導入を成功させる近道といえるでしょう。

兵庫県を中心に70店舗を展開する地域密着型スーパーマーケットチェーンのマルアイでは、清掃スタッフの人手不足が課題でした。清掃業者への委託も検討しましたが、業者側も人手不足でコストが高額になり断念。自社スタッフで清掃する場合も、水拭きが重労働で閉店後の対応が負担になっていました。
除塵ロボットと水拭きロボットの2機種を併用し、開店前・閉店前の客が少ない時間帯に自動清掃を実施する運用へ転換。売場面積約787㎡の店舗で、水拭きだけで4時間以上かかっていた作業を自動化できました。試算では、年間約110万円のコスト削減効果を見込んでいます。
注目したいのは、1台2役ではなく役割の異なる2機種を組み合わせている点です。除塵ロボットでごみやほこりを取り除いた後に、水拭きロボットで床を拭き上げることで、品質の向上と作業時間の短縮を両立しています。汚れの種類で工程を分担させる発想は、他の現場でも活かせるポイントでしょう。
スーパーマーケットへの導入では、事前に清掃ロボットが通れる通路幅や時間を確保することが安定稼働につながります。今回紹介した2社の事例でも、清掃コストの削減や人手不足の解消は、ロボットの性能だけでなくこうした運用面の工夫によって実現していました。
一方で、レイアウト・時間の調整だけでは、自社の現場の動線に沿って実際に問題なく動いてくれるのか、懸念が残る企業もあるでしょう。本メディアでは、「人や物が行き交う環境」「フロアをまたぐ広い環境」「狭いすき間が多い環境」の3つに注目し、それぞれに適した業務用清掃ロボットを調査しました。ぜひこちらもご参考にしてください。
事例からも分かるとおり、業務用清掃ロボットは導入すればそれだけで効果が出るわけではなく、売り場環境に合わせた選び方が欠かせません。ここでは、スーパーならではの確認ポイントをまとめました。
食品スーパーは通路の形状が似ているため、ロボットが自機の位置を把握しづらくなる場合があります。
導入前に通路幅を測り、導入予定の清掃ロボットが走行できる幅を確保しておきましょう。狭い通路が多い店舗では、小回りの利く小型タイプも選択肢になります。
バッテリー残量が減った際に自ら充電に戻る自動充電機能を持った機種なら、限られた時間帯でも連続して清掃を進められます。客の少ない早朝や夜間に稼働時間を割り当てれば、買い物中の移動も妨げにくくなるでしょう。
スーパーの売り場は買い物客やカートが行き交い、季節やイベントごとに陳列什器の配置も変わります。そのため、清掃ロボットを営業中に稼働させる場合はセンサーの検知精度が重要です。
冷蔵ショーケースのガラス面のような透明な障害物を見分けられる機種を選べば、接触リスクを抑えられます。
「導入したのに思ったように稼働しない」「結局人の手直しが必要になった」——こうした失敗の多くは、ロボットの性能ではなく導入環境とのミスマッチが原因です。ここでは、導入時に不安を感じやすい「人や物が行き交う環境」「フロアをまたぐ広い環境」「狭いすき間が多い環境」の3つに分け、それぞれに合うおすすめの業務用清掃ロボットをご紹介します。
人から透明な物まで検知・回避
2つのセンサーで衝突を低減
約25m先まで察知するLiDARに加え、LiDARが苦手とする透明物検知を補うソナーセンサーを搭載。人や什器はもちろん、ガラスなど透明な物まで衝突リスクを抑えます。
最大5台※1の3Dカメラで死角なく
捉えて壁際までムラなく清掃
高解像度の3Dカメラで周囲を死角なく捉え、人や物を避けながらサイドブラシで壁際まで清掃。マイクロファイバーブラシとローラーブラシを選べるため光沢床にも優しく頑固な汚れも残しません。
カーペット※3、硬質床材(Pタイル、塩ビ、磁器タイル、セラミックタイル、カラーコンクリートなど)
最大6,000㎡/h+自動充電で
広範囲でも夜間無人運用が可能
最大6,000㎡/h(スポット清掃モード)清掃能力で、展示会場のような広い空間にも対応。自動充電と3時間未満の急速充電で稼働を止めず、夜間のうちに広範囲の清掃を完了します。
階移動やゲート通過も自動化でき
複数フロアを無人で清掃
フロア移動や区画の入退室が発生する環境でも、エレベーターや電子ゲートとの連携が可能。清掃の稼働範囲が途中で分断されにくく、施設全体を無人運用でカバーできます。
椅子・テーブルが多い環境を想定
小回りがきく設計
幅33cm×高さ8.6cmの小型サイズ。椅子・棚の下やテーブル脚まわりなど細かい箇所をカバーしやすくロボットを入れても手作業が多い状態を避けやすいです。
1台2役の吸引+水拭きで
細かいエリアまで清潔を維持
1台で吸引と水拭きの両方に対応するため、別々に行う手間がかかりません。細い動線や椅子の下にある食べかすを吸い取りつつ、床にこびりついた汚れをしっかり除去します。